ICTSC2026 一次予選 問題解説: 問12
問12
図のネットワークではOSPFv2が動作しており、Area 10はNSSAとして構成されている。
R3は、R5のLoopback0が属する172.16.100.0/24への静的経路をOSPFv2へ再配送している。
また、各OSPFルータ間のネイバー関係はすべてFULL状態で正常に確立している。


現在、R1からR5のLoopback0(172.16.100.1)への疎通が確立できない。
以下は、各ルータで取得したOSPFデータベースおよびルーティングテーブルの抜粋である。図は4分割されており、右下にはR1のルーティングテーブルを示す。

以下は、R3-R4間で取得したOSPF Link State Updateパケットである。

以下は、R4-R1間で取得したOSPF Link State Updateパケットである。

提示されたトポロジ、IPアドレス表、showコマンドの実行結果、およびWiresharkのパケットキャプチャを確認し、この障害の原因として最も適切なものを次から1つ選べ。
なお、showコマンドの実行結果は、可読性向上のため一部を抜粋している。
選択肢(択一選択)
- R2がNSSA Translatorとして選出されていないため、外部経路がType 5 LSAとしてArea 0へ広告されていない。
- R1からType 5 LSAのAdvertising Routerである
4.4.4.4への経路が存在しないため、外部経路を利用できない。 - Type 5 LSAのForwarding Addressに
3.3.3.3が設定されており、0.0.0.0ではないため、外部経路を利用できない。 - Type 7 LSAと変換後のType 5 LSAでAdvertising Routerが異なるため、同一の外部経路として認識されていない。
- R1に、Type 5 LSAで指定されたForwarding Address
3.3.3.3へ到達するための有効なOSPF経路が存在しない。 - R3が生成したType 7 LSAのP-bitが設定されていないため、Type 5 LSAへの変換対象になっていない。
正解
5
解説
- 不正解:R4がType 7をType 5へ正常に変換し、Area 0へ広告できているため、R2がTranslatorでないことは障害原因ではない。
- 不正解:Forwarding Addressが0.0.0.0以外の場合、外部経路の計算には、そのアドレスへのOSPF内部経路が必要である。
- 不正解:Type 7からType 5への変換時に、Advertising RouterがTranslatorであるR4に変わるのは正常な動作である。
- 不正解:Link State IDはどちらも172.16.100.0であり、同じ外部ネットワークを表しているのでType 7からType 5へ変換してAdvertising Routerが異なっても大丈夫である。
- 正解:R1が受信したType 5 LSAにはForward Address: 3.3.3.3と指定されている。しかし、R1のOSPFルーティングテーブルには3.3.3.3/32への経路が存在しない。したがって、Forwarding Addressへ到達できず、172.16.100.0/24を外部経路として利用できない。
- 不正解:R3→R4間のWiresharkでは、Type 7 LSAのOptionsに(P) Propagateが表示されており、P-bitは設定されている。また、R1では実際にType 5 LSAが確認できるため、Type 7→Type 5変換も成功している。