ICTSC2026 一次予選 問題解説: 問49
問49
DWDMを用いて、離れた2拠点間を複数の回線で接続します。
本環境の諸条件は以下の通りです。
- 送信光出力:-3 dBm
- 受信感度:-20 dBm
- 最大伝送距離:80 km
- 変調方式:NRZ
- 通信速度:10 Gbit/s
- 拠点間光ファイバーの線長:50 km
- 光ファイバーの損失:0.2 dB/km
- 合波装置の挿入損失:1.5 dB
- 分波装置の挿入損失:1.5 dB
- 使用波長:1550 nm
その他の損失は考慮しないものとします。
このとき、受信側装置における理論上の受信光レベルとして最も適切なものを選びなさい。
選択肢(択一選択)
- -16 dBm
- -13 dBm
- -14.5 dBm
- -33 dBm
正解
1
解説
受信光レベルは、送信光出力から伝送経路上の損失を差し引いて求める。DWDMでは複数の波長の光を合波して1本の光ファイバーで伝送し、受信側で分波する。各回線の光が通る経路は以下の通りである。
送信側装置
│ 送信光出力:-3 dBm
↓
合波装置(損失:1.5 dB)
│ 通過後:-4.5 dBm
↓
光ファイバー 50 km(損失:10 dB)
│ 通過後:-14.5 dBm
↓
分波装置(損失:1.5 dB)
│ 通過後:-16 dBm
↓
受信側装置(受信光レベル:-16 dBm)
光ファイバーの損失は、線長と1 kmあたりの損失の積から求められる。
光ファイバーの損失 = 50 km × 0.2 dB/km = 10 dB
伝送経路全体の損失 = 1.5 dB + 10 dB + 1.5 dB = 13 dB
受信光レベル = -3 dBm - 13 dB = -16 dBm
dBmは1 mWを基準とした光電力のレベルを、dBは損失などの比を表す。したがって、dBmで表した送信光出力からdBで表した損失を差し引くと、dBmで表した受信光レベルが得られる。
なお受信感度の-20 dBmは、受信光レベルと比較するための値であり、損失として差し引くものではない。また、最大伝送距離・変調方式・通信速度・使用波長は、今回のように光ファイバーの損失が与えられ、その他の損失を考慮しない条件では、この計算に使用する必要がない。
よって、正答は 1. -16 dBm である。