問題解説:HIR
HIRの問題文
現在他の部署のPCから社内のネットワークに繋がらないらしく、原因が不明らしい。
現状は以下の通りであり、これを解決してほしい。
– 手元PCから172.16.2.1への通信がものすごく不安定である。
上司から社内ネットワークの都合上、現在使用している各種プロトコルは変更せずかつstaticを書いてはいけないよう言われている。
上司からの注意点をふまえた上で、この問題を解決して何が原因だったのかを報告してほしい。
概要
この問題のコアになる技術はRIPで、RIPのversionの違いを利用した問題だった。
RIPにはversionが二つあり、違いはクラスフルなのかクラスレスなのかで、この問題ではRIPのアドレス集約機能のせいで正しいサブネットがテーブルに載らないため通信が不安定になっていた。
解法
sh ip route を入力すると以下の結果が返ってくる。
アドレス集約が行われているため、172.16.1.0/24 と 172.16.2.0/24 が 172.16.0.0/16 にまとめられていた。この問題はRIP version2にすることでサブネットの情報まで通知できるようになり、解決する。
講評
採点基準は、”テーブルに正しい情報がのっていないことがわかる”、”RIPのversionが問題であることが説明できる”の二点が正しく報告できていたかで判断した。
参加者の回答状況を見ると想定よりも解答数が少なく、物理図とconfigのVRFに対して苦手意識があったのかもしれない。物理図と論理図の違いが複雑だったために問題が解けなかった場合は、是非vlanやVRFの知識を深めてほしいと感じた。